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両親と交通事故で死別し、他に身寄りがないため施設に来た女の子

流れで書いてみる。児童福祉施設で今で言うケースワーカーをやっていたおばさんに聞いた話。

両親と交通事故で死別し、他に身寄りがないため施設に来た女の子(2歳)がいた。
数日後、その女の子の遠縁の親戚から「引き取りたい」と連絡があった。
施設まで来た親戚夫婦とおばさんが面談。
裕福そうな家庭で、十五になる男の子が一人いるのだという。
「妹さんが増えることに、お子さんは何とおっしゃってます?」と聞くと、
「妹としてではなく、結婚相手として引き取りたい」と。
男の子には障害があるため、女の子にはその子の面倒を一生みてもらいたいのだと言い出した。

おばさんの顔色が変わったのが分かったのか、夫婦は「冗談ですよ」と話を流し、
女の子を大切にする、ずっと女の子が欲しかった等、耳障りのいいことを言い出した。
嫁云々の話を聞いていなかった施設長は「立派な親戚が居てよかった」
と女の子を引き渡す気まんまん。
おばさんが「あの夫婦は怪しい」と言っても誰も聞いてくれない。
このまま女の子が不幸になるかと思うと夜も眠れなかったらしい。

幸い(というのか?)、女の子が事故のショックで失語症になった途端
(事故から半年過ぎていたが、 時間差でショックが来ることもあるらしい)
親戚夫婦は「障害児はいらん!」とさっさと手を引いてくれた。
おばさんは女の子が回復する前に、
さっさと別な夫婦との養子縁組をまとめて 親戚と連絡がとれないようにしたそうだ。

「その子は声が出るようになったの?」と私が聞くとおばさんは「これ、あんたの話だよ」。
自分が養子なのは知ってたけれど、養父母にたどり着くまでにそんな修羅場があったなんて
三十数年知らなかった……

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